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インタビュー

01.122024

ティーチングプロに聞いた「初心者におすすめの練習法」。まずは短いクラブで始めるべき?

Writer:
golmicio編集部

ゴルフを始めると

「正しい練習法」

について知りたくなりますよね。

「ゴルフを着実に上達させるための秘訣やおすすめの練習方法は?」

「YouTubeで見かけるゴルフのレッスン動画は効果的なの?」

「初心者が陥りやすいポイントは?」

といった

ゴルフ初心者の方が気になる疑問

について、森ビルグループが運営する「ヒルズゴルフアカデミー」(東京都港区虎ノ門)でレッスン指導をする山田嘉一さん(日本プロゴルフ協会ティーチングプロ・TPI認定インストラクター<Level2>)にゴルミーチョ編集部が聞きました。

山田嘉一さん

今回お話を聞いた人
山田嘉一さん

ゴルフ歴35年(指導歴20年)。
日本プロゴルフ協会会員ティーチングプロ・TPI認定インストラクター(レベル2トレーナー)・The First Tee Coachの資格保持者。
ヒルズゴルフアカデミーが創立した2010年当初からレッスン担当、現在はマネージャーを勤めている。

また、おすすめのゴルフスクールは以下の記事で紹介しています。気になった方はぜひご覧ください。

初心者におすすめの練習方法とは?

左右からサムズアップする手

―― ゴルフの練習方法は色々あると思いますが、なかでも初心者におすすめの練習方法はあるのでしょうか?

初心者の方であれば、最初はクラブにゴルフボールがしっかり当たらないと思います。

スクールによってはレッスンの初めから大きくクラブを振って、その課程で

とにかく当てていきましょう

という練習方法もあります。

ただ、大きく振っても当たらないと、初心者の方はボールが当たらないこと自体が大きなストレスになってしまいますよね。

なので、まずは小さいスイングでボールをクラブの中心付近に当てることが重要だと私たちは考えています。

ポイントは

ショートスイングからハーフスイングを徹底的に練習すること

です。

その練習方法がまずは上達の近道になるのかなと考えています。

初心者の方はクラブを大きく振って始めるよりも、小さくスイングをしてボールの中心にクラブを当てることの気持ち良さを知ることがとても大切だと伝えたいです。


―― スイングする幅を徐々に大きくして、フルスイングに近づける形になると思います。その過程で押さえるべきポイントを教えてください。

ショートスイングからハーフスイングで、一番大切なものはアドレス(ボールを打つときの構え)です。

どういうことかというと、人間には足の長い人・太い人・細い人、あるいは背が高い人など様々な体形の人がいますよね。でも、すべての外身をとると骨格になります。なので、その骨格になっている「骨」をどう動かしているかという風に考えます。

そうすると、骨は

ゴルフクラブを握って構えたときの形

なので、左手と右手の握ってる場所が違う時点で、左右のバランス、すべての関節のポジションはズレていますよね。

つまり、最初から左右でポジションがズレているので、最初のアドレスを正しい位置にしない限り、上達はむずかしいと考えています。

練習頻度はどれくらいがおすすめ?

打ちっぱなし練習場とゴルフクラブ

―― ゴルフ初心者の場合、どれくらいの練習頻度がおすすめですか?

ゴルフ上達の目標レベルをどのように設定するかによって、おすすめの練習頻度は変わりますね。

例えば、

会社のコンペがある3ヶ月後にはコースデビューしたい

という目標であれば毎日やるべきだと私は思います。

一方で

1年後にコースデビューしたい

という目標であれば、練習頻度はもう少し落としてもいいかもしれません。

ヒルズゴルフアカデミーでは「スコア120切り」をめざすプランがあります。

そのプランの場合、最低でも週に1回レッスンを受けることをおすすめしています。

レッスンは座学もあるので、家でも練習の時間を確保してゴルフの構えチェックをしたほうがいいですね。


ーー レッスンに通わずにゴルフの打ちっぱなしなどで練習をしようと考えている初心者の場合、最初に練習するクラブは7番アイアンがいいでしょうか?

ヒルズゴルフアカデミーでは場合によりますが、7番アイアンでスイングを始めることが多いです。

なぜ7番アイアンかというと、すべてのクラブのなかでちょうど真ん中の長さなんですよね。

なので、まずは真ん中の長さから始めて、長いクラブ、短いクラブとどちらにでも行けるという意味合いで、

まずは7番アイアンから

というお話をします。

ただ、クラブが短いほうが中心に当たりやすいので、当てることを重視するなら7番アイアンより短いクラブ、例えば9番アイアンを進めることもあります。

ですので、独自で上達したいのであれば、ドライバーなどの長いクラブから始めるよりは7番アイアン以下の短めのクラブで練習をすることをおすすめします。

初心者が陥りがちなポイントとは?

クラブを構える生徒とコーチの足元

―― 山田さんのレッスン指導経験から、初心者ゴルファーが陥りがちなポイントを教えてください。

ゴルフ初心者の方で起きがちなのが、

自己流のスイングで始めて、正しいアドレスとは違う骨格状態で始めてしまう

というものです。

自己流のアドレスが固定されると、1つのエラーをまた違うもう1つのエラーで被せる形になるので、エラーにエラーを被せる形になります。

なので、まずは正しいアドレスをしっかりと作り上げて、正しく動ける状態で学んでいくことが大切かなと考えています。


―― 最近はYouTubeなどでも色々なゴルフレッスン動画がありますが、どのように活用するのがいいのでしょうか?

とても難しい質問ですが、根本的な部分で言うとYouTubeのレッスン動画だけを鵜呑みにするのはとても危険で、場合によっては上達を妨げてしまう場合もあります。

なぜそう考えるのかと言えば、例えば

スライスを直したい。その原因がグリップだとわかっている

という状態だとしましょう。

スライスの原因がグリップとわかっている状態であれば、YouTubeの動画も、グリップのレッスン動画を見れば参考になります。

ですが、初心者の方の場合、直すべきポイントがグリップだとわからない場合が多いですよね。

そうなると、スライスの原因がわからない状態で、スライスを直す違う方法を紹介する動画や、単純に動画が楽しい方の動画を見てしまうのではないでしょうか。

そうなると、動画によって本来はうまくできていた部分を修正してしまう可能性があります。


―― ゴルフ初心者の方はどういったことを意識して動画を見るべきでしょうか?

私はゴルフを上達させるためには、「ゴルフ脳」が必要だと考えています。

「ゴルフ脳」とは、「自分が上手くなるために何が必要か」を客観的に理解できる考え方ができることで、身体能力ではありません。

例えば、スコアを伸ばしたいことが目的なら、良くないスコアの原因、具体的なエラーがラウンドを周ると最終的にわかります。

もしOBが多いのであれば、どのクラブでOBが多いのか。

もしドライバーであれば、その方にとっては「ドライバーのエラー」がスコアが伸びない具体的な原因になります。

ただ、「ドライバーのエラー」と言ってもたくさんありますよね。

「空振り」なのか、「スライス」なのか、「フック」なのか。

仮に原因が「ドライバーのスライスだ」と理解できていれば、次に「ドライバーのスライス」の原因を掘り下げる。

なので、まずは

自分自身のエラーがどこで起きているのか

をしっかりと見極めることが大切です。

初心者の方のなかでも、「上達する人」と「そうでない人」は、その「ゴルフ脳」の使い方が違います。

しっかりと目的を把握すれば、YouTubeのレッスン動画も有効に活用できるはずです。

初心者が最低限知っておくべきマナーとは?

カップに入りそうなゴルフボール

―― 初めてゴルフラウンドをする人にとって、ゴルフ場での立ち振る舞い、マナーには不安がつきものだと思います。山田さんが初心者の方にお伝えしたい最低限のマナーは何でしょうか。

色々とありますが、強いて1つ言わせてもらうと、

プレーがうまくいかないうちは、とにかく走りましょう

ということです。

なぜかというと、ゴルフはプレーする時間が決まっていますよね。逆に極端なことを言ってしまえば、プレーする時間の中で収まっていれば、限度はありますが、ある程度は何をしてもいいと思います。

なので、一緒に周っている人の倍の数を打つのであれば、人よりも早く打つことを意識すべきだと思うので、大変ですが

とにかく走る

を意識するのがいいかもしれません。

一緒に周っている人からしても、うまくなかったとしても、とにかく走っていると頑張ってる感じもするし、許せてしまいますよね。

例えばですが、ボールを打ちに行くときに1本しかクラブを持っていかないのではなく、3本いっぺんに持っていくとか。


―― 後ろに控える人たちのことを考えて、OBしたときにボールを長時間探さずに予備のボールで始めたり、スピーディーに周ったりすることを意識することが大事ですね。

どんなに下手でも、性格が悪かったとしても、時間内に、スピーディーにプレーを進めることができれば問題ないと私自身は考えています。

逆に上手い方でもプレーが遅い人はマナーがいいとはあまり言えません。

下手であることはほとんど問題ではなくて、200回打ってもいいと思います。要は、時間内に周る努力を大事にするということを念頭においてプレーできれば大丈夫です。


―― 他にも色々なマナーがあると思いますが、次に「ここは気をつけてほしい」というマナーは?

次に気をつけていただきたいのは、「グリーン上でのマナー」になるかなと思います。

例えば、

一緒にプレーする人のラインを絶対踏まない

一緒にプレーする人がパターを打つときにその人の目線に入らない

一緒にプレーする人がパターを打つときにその人の近くに立たない

といったことですね。

まとめ:正しいフォームを身につけよう

スイングをする女性とそれを見守る3人の女性の後ろ姿

ゴルフを始めたばかりの初心者の方の場合、気をつけるべきポイントや意識すべきポイントがわからない場合が多いかもしれません。

ただ、練習時に気をつけるべきポイントや意識すべきポイントがわかっている状態とわかっていない状態では、練習の効果が大きく変わります。

インタビューで山田さんが語ったとおり、もし

またゴルフを始めたばかり

という方は、自己流のフォームが身につく前に、一度ゴルフレッスンを受けて、レッスンのプロに正しいフォームを教えてもらうことをおすすめします。

正しいフォーム、効果的な練習方法を知ることができれば、あなたのゴルフスキルは自然と上達して、ゴルフがより楽しいと感じられるのではないでしょうか。

おすすめのゴルフスクールは以下の記事で紹介しています。気になった方はぜひご覧ください。

WEBでのインタビューに答える山田嘉一さん

WEBでのインタビューに答える山田嘉一さん

ヒルズゴルフアカデミー

ヒルズゴルフアカデミーの入り口に立つスタッフの皆さん

森ビルグループが東京都港区・虎ノ門で運営する室内ゴルフレッスンスクール。2010年にオープン以来、「インドア練習施設での技術向上に何が必要か」を追究し続け、特にスコアアップに直結する要素が効率的に身につくプログラムを開発。先進的な設備やメソッドを導入し、自社運営のゴルフコースとも連携している。

https://hillsgolf.jp/hillsgolfacademy/

執筆者 golmicio編集部

golmicio(ゴルミーチョ)編集部員が「ゴルフを身近に。ゴルフを日常に。」をコンセプトに、ゴルフ初心者やエンジョイゴルファーが抱えるさまざまな悩みを解消できるような情報をお届けします。